2015年1月15日木曜日

暴走中年


平成25年(わ)第1705号

中澤 圭太

道路交通法違反

【概要】
和光市の国道298号線を制限速度の60km/hを大幅に超過する145km/hでバイクで走行したオッサン。

板橋区在住の被告人は埼玉県内のバイク店を訪れた後に、先述R298で速度取り締まりにあいました。

雨が降りそうだった。免許取得後2ヶ月程度なので雨天走行は危険だと思い帰宅を急いでいた。
(と、言いながらバイク店から最短ルートでなく遠回りをした経路上で取り締まりにあっている不合理)
のぼり坂が終わったところで、つい速度が出てしまった。
100km/hを越えると速度感覚が鈍化する。
レース仕様に近い大型のバイクなので高速になるとより速度が出易くなる。

以上の様な良くわからない言い訳をするが何ら説得力が無く、むしろ緊急性が無い事も明らかである。
何より、免許取得後2~3ヶ月の初心者がそんなにスピード出したら危ないでしょ。
まして若くないんだから50歳前後の反射神経じゃ、とっさの危機回避が出来ないことは子供でも判る筈。

更には、判決に執行猶予が付いたとしても自由刑判決の場合は現在の職場に居られなくなる事を殊更に強調します。その場合、自分が抜けたしわ寄せで、同僚に迷惑をかけてしまう事になると言います。
(すべて本人の行動の責任なんであるが…何とも、勘違い甚だしいと、思ってしまったぞ)

そして、最終弁論では、「何とか、生活を維持出来る判決をお願いします。」とおねだりも忘れない、何とも甘えた中年である。(要するに罰金刑で済ませてくれという意味ですね)


【類似事件】
平成25年(わ)1657号
法学部の大学生が60km/h制限の道路を自動車で149km/hで走行し速度自動取り締まり機で記念写真を撮影した事件である。
同乗者が吐血した。と、一応尤もらしい言い訳をしたが懲役3月執行猶予3年の判決でした。

本件も同じく求刑は懲役3月である。被告人が贖罪寄付をしている事を考え合わせても、同様の判決であると考えられます。

 【判決】
懲役3月執行猶予2年 裁判費用は被告人負担。

本件は、速度違反の事例としては超過した速度が早く悪質な事案として認められる。
被告人が反省していることを考慮しても罰金刑にするべきではないと判断されました。

本件被告人は前回公判時には速度違反で逮捕の事実を勤務先には伝えておらず、仮に先述の通りの懲戒処分が行われる場合は職場に対するダメージがより大きくなるのであるから、最悪の可能性を含めて早期に職場上長への報告、打診をしておく事がオトナの対応として必須と考えます。

なるほど,子供じみた言い訳をするのもうなずける。