平成27年(わ)第1689号
遠藤 全紀
殺人
【求刑】
懲役18年
危険な犯行態様、強固な殺意
左胸に集中した、計5カ所、深さ最大14センチの刺創
などから確定的、強固な殺意が伺えます。
三日前から殺害を計画していた事が周囲の人物の証言から明らかな様です
一方的で自己中心的な殺害動機(犯行動機)
資産を家族に渡したく無いと長年の恨みが爆発。
しかしながら、経理担当の被害者(妻)の功績無くして、被告人の今日の成功(資産)は無かったかもしれません。
被告人は、長男がタイムカードを打刻しない、事務所に顔を出さずに直行直帰する、日報を付ける様に指示しても否定的反応をされたと具体例として挙げ主張しますが、要するに自身の思い通りにならない事に我慢がならない様に感じられます。
入院中の(被告人の)世話をしてくれなかった。
被告人の入院中に毎日見舞いに来てくれていた家族に対して、すぐに帰ってしまうと不満を募らせたともいいます。(被告人につきっきりで身の回りの世話をする程、暇じゃ無い事は経営者であれば理解出来る筈です)
事務所の換気扇工事に否定的な反応をされた事
会社の事務所に換気扇を増設しましたが、被告人が飼育していたペットの臭気がその原因であって、そもそも仕事をするべき事務所で趣味のペット飼育をしている時点で、被告人の公私混同ぶりが伺えます。ちなみに、飼育を禁止されている野鳥類(詳細不詳)を自慢していたとも、「カミツキガメ」を飼っていたともいいます。家族に構って貰えない寂しさをペットで紛らわそうとしていたのでしょうか。
被告人が親友と慕う同業の人物に事務所の換気扇工事を依頼したところ、家族が否定的な態度を取ったので許せないと被告人はいいますが、家族らは換気扇を設置して迄、事務所で趣味のペットを飼育する事について否定的な意見を有していたのだとも考えられます。
被告人は精神鑑定によって依存的、他罰的な性格傾向が指摘されています。
遺族は厳重処罰を希望しています。
【弁論】
懲役9年が相当と主張しています。
ガンを発症、手術した事から健康問題に悩み、心気障害から抑うつ状態で精神的に追いつめられたことが、犯行に影響しているとの意見です。
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