2016年11月4日金曜日

執行猶予中の窃盗に記憶を失くした、別人と弁解


平成28年(わ)第1292号

山田 正こと洞内 渉

窃盗

【概要】
スーパーで万引きをした被告人はある日から「山田 正」を名乗っていますが、生まれた時も本件犯行当時も「洞内 渉」のハズでした。

平成28年5月に盛岡で執行猶予判決を受けた洞内 渉は、職を求めて渋谷の保護施設にたどり着きますが、人間関係を理由に短気間で同施設を飛び出しホームレスになりました。その後、若干の土地勘が有ったとの理由で埼玉に流れ着きましたが、食うに困って大宮公園で行き倒れたことが有ったと述べています。
この時通りすがりの誰かから、「ヤマダ ダシさん大丈夫?」と、声を掛けられたので、この時から自身を山田正と認識していたと後に弁解しています。(この時に何らかの理由で、洞内 渉の記憶に障害が生じたのであれば、これ以後はずっと山田正のハズですが…)

その後に本件犯行に係る万引き行為で逮捕されますが、犯行当日の事情聴取では洞内 渉として供述し、調書に署名もしています。
本法廷で買い物かごを乗せたショッピングカートごと店外に出た事、この時に商品の上に持参のバッグを乗せた理由を「重たかったから」とはっきりと弁解していますから、現在の人物( )は万引き犯行時の記憶がきちんと有る様です。

過去(2〜3年前)に開頭手術を受けた影響で記憶に障害が生じているとも主張しています。
この手術の前後も洞内渉として問題なく生活していましたから、この手術を原因として記憶に障害が生じたとは考えられません。
平成28年5月の裁判では手術の事には触れていませんし、先の大宮公園の行き倒れでそれ以前の記憶に障害が生じたと仮定するとしても、それに遡る開頭手術の記憶が有るのは何故でしょう。






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